AUTHOR
吉崎 槙吾
エンジニア / BODYDATAリサーチ担当
Profile
プロフィール
1998年奈良生まれ、フィリピン・セブ島在住のソフトウェアエンジニア。2022年マッスルゲート奈良橿原クラシックフィジーク新人の部6位。BODYMAKE検定3級。日々のトレーニングと論文リサーチの両輪で、BODYDATAの記事を執筆。
Credentials
資格・経歴
- マッスルゲート奈良橿原 クラシックフィジーク新人の部 6位(2022)
- プロパーソナルトレーナー BODYMAKE検定3級(2021)
Articles
執筆記事(72)
- 研究 vs 勘全2ラウンド
「40代・50代は筋肉がつかない」は本当か? 加齢 vs 筋肥大の研究
VS言われていること
若い頃はテストステロンが高くて筋肉がつきやすかった。40代を過ぎるとテストステロンが落ちて筋肉がつかなくなる。無理にトレーニングしても怪我するだけだ。
研究が示すこと
Peterson et al.(2010)のメタ分析(47研究・1,079名、平均60歳超)では、高齢者でも適切な抵抗性運動により筋力が平均25%以上向上し、筋肉量(筋横断面積)も有意に増加した。若年者との相対的な筋肥大率(%増加)に有意差はなかった。テストステロン低下は絶対量の上限に影響するが、筋タンパク合成への刺激応答そのものは高齢者でも維持される。
吉崎 槙吾
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「お酒を飲んでも筋肥大・減量に関係ない」は本当か? アルコール 通説 vs 研究
VS言われていること
プロテインとアルコールを一緒に飲めば問題ない。タンパク質が十分あればアルコールの影響を打ち消せる。飲んでも次の日にトレーニングすれば問題ない。
研究が示すこと
Parr et al.(2014)の直接比較RCTでは、コンカレントトレーニング後にアルコール(1.5g/kg体重相当)を摂取したグループは、プロテイン単独グループと比較して筋線維タンパク質合成が最大24%抑制された。特に注目すべきはプロテインをアルコールと同時に摂取したグループでも抑制が観察されたこと。アルコールはmTOR経路の下流で筋タンパク合成シグナルを妨害する可能性がある。テストステロンもアルコール後に一時的に低下する。
吉崎 槙吾
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「アシュワガンダでテストステロンが大幅に上がる」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
アシュワガンダを飲めばテストステロンが急上昇する。自然に男性ホルモンが上がって筋肥大が加速する。サプリの中で最強のテストステロンブースターだ。
研究が示すこと
Wankhede et al.(2015, J Int Soc Sports Nutr)のRCTでは、アシュワガンダ600mg/日の8週間摂取でテストステロン値が有意に上昇したが、その効果量は中程度(15〜20%増)で、基準値が低い(低テストステロン状態)被験者での変化が大きかった。健常な正常テストステロン値の男性では効果が小さくなる傾向。既存のashwagandha-strength-cortisol-rctデータでも同様に条件依存の効果が示されている。テストステロンが正常範囲にある健常者での「大幅な増加」は誇張。
吉崎 槙吾
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「ベータアラニンのピリピリ感は効いているサイン」は本当か? パレシジア 通説 vs 研究
VS言われていること
ベータアラニンを飲んでピリピリするのは、筋肉に効果が出ている証拠。ピリピリが強いほど高用量が入って効き目が強い。ピリピリしないと効いていない。
研究が示すこと
パレシジアは皮膚の感覚神経受容体(特にMrgprD)へのベータアラニンの直接結合によるもので、筋肉内カルノシン(実際の効果物質)の蓄積とは無関係の独立したメカニズム。Hobson et al.(2012)のメタ分析では、ベータアラニンの有効性(カルノシン蓄積→水素イオン緩衝能の向上)は投与量の累積と時間に依存しており、皮膚の感覚とは独立。ピリピリが弱くてもカルノシンは蓄積されており、ピリピリが強くても効果を保証しない。
吉崎 槙吾
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「体組成計の体脂肪率は正確」は本当か? 測定精度 通説 vs 研究
VS言われていること
体組成計は毎日同じ条件で測れば十分正確。食前・起床後に測れば誤差は小さくなる。メーカーが精度をうたっているから信頼できる。
研究が示すこと
Lee & Gallagher(2008)のレビューでは、BIA(生体電気インピーダンス法)は水分状態・食事・運動後・月経周期・皮膚温度などの条件変化で絶対値が±3〜8%以上変動する。特定の水分状態(脱水・過水和)では実際の体脂肪率と乖離が大きい。家庭用体組成計の絶対値を「今の体脂肪率」として信じることは誤差を過信するリスクがある。同一条件での「変化のトレンド」を追跡するツールとして使う方が実用的。
吉崎 槙吾
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「自重トレだけでは大きくなれない」は本当か? ウェイト必須説 vs 研究
VS言われていること
ダンベルもバーベルも使わず自重だけではそれなりの体にしかなれない。負荷が軽すぎて筋肥大の刺激が足りない。ジムに通うか最低でもダンベルを使わないと意味がない。
研究が示すこと
Kikuchi & Nakazato(2017)のRCTでは、負荷を適切に調整したプッシュアップ(自重)は低強度ベンチプレスと同等の上腕三頭筋・大胸筋の筋肥大をもたらした。筋肥大の根本原理は「十分な機械的張力 × 適切なボリューム × 漸進的過負荷」であり、重量が鉄製か自分の体重かは問わない。ピストルスクワット・片手プッシュアップ・フロントレバーなど難易度の高い自重種目は、相当な機械的張力を発揮できる。
吉崎 槙吾
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「朝食を抜くと代謝が下がる」は本当か? 朝食神話 通説 vs 研究
VS言われていること
朝食を食べないと体がエネルギー不足と判断して代謝を下げる。一日中代謝が低い状態が続き、食べた分が全部脂肪になりやすくなる。朝食を食べないと痩せられない。
研究が示すこと
Dhurandhar et al.(2014)の309名を対象とした16週間RCTでは、朝食摂取推奨・非推奨・通常の3群間で体重変化に有意差はなかった。単発の朝食スキップで基礎代謝が著しく低下するエビデンスは限られており、代謝適応が生じるのは長期的・慢性的なカロリー不足の場合。「朝食を食べないと太る」という観察研究での相関は、朝食スキップ者の生活習慣全体(夜食・過食・運動不足)との混交が大きい。
吉崎 槙吾
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「カロリーをとことん削るほど痩せる」は本当か? カロリー赤字の最適量 通説 vs 研究
VS言われていること
どれだけ食事を減らしても、筋トレをしていれば筋肉は落ちない。カロリー制限と筋トレを組み合わせれば筋肉を保ちながら脂肪だけが落ちる。
研究が示すこと
Garthe et al.(2011)のRCTでは、急速減量(週体重比1.4%削減)グループは緩徐グループより除脂肪量(筋肉量)の損失が有意に大きく、筋力・パワーも低下した。筋タンパク合成にはエネルギーが必要であり、極端な赤字下ではトレーニング刺激があっても筋肉維持が困難になる。週0.5〜1%(体重60kgなら週約300〜600g)の減量ペースが筋肉量維持と脂肪燃焼の両立に適切とされる。
吉崎 槙吾
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「筋トレ後の有酸素は脂肪が燃える」は本当か? 運動順序の通説 vs 研究
VS言われていること
筋トレで糖質(グリコーゲン)を使い果たしてから有酸素をやると、体は脂肪をエネルギー源にせざるを得ない。だから筋トレ→有酸素の順でやると脂肪がよく燃える。
研究が示すこと
確かに筋トレ後はグリコーゲンが低下した状態であり、有酸素時の脂肪酸化率がやや高まる。しかしChtara et al.(2008)をはじめとする比較研究では、順序の違いが総体脂肪燃焼量・体脂肪率の変化に有意な差をもたらすことは示されていない。24時間の総エネルギー消費と総脂肪酸化量は同程度に収束する。脂肪燃焼の差はセッション中の一瞬のスナップショットであり、1日・1週間の合計では均質化される。
吉崎 槙吾
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「ストレスで筋肉が溶ける」は本当か? コルチゾール通説 vs 研究
VS言われていること
精神的なストレスはトレーニングに関係ない。食事とトレーニングをしっかりすれば、仕事がどれだけ忙しくても筋肉はつく。メンタルは関係ない。
研究が示すこと
Kraemer & Ratamess(2005)のレビューでは、コルチゾールは糖新生・タンパク質異化(筋タンパク分解)を促進し、テストステロン/コルチゾール比(T/C比)が低下した慢性高コルチゾール状態では筋タンパク合成が有意に抑制される。慢性的な高ストレスは睡眠の質低下・食欲変化・過食リスクも高め、二次的に筋肥大を阻害する。仕事・人間関係・睡眠不足によるコルチゾール慢性高値は、食事やトレーニングだけでは完全に相殺できない。
吉崎 槙吾
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「ドロップセットは限界突破で筋肥大を加速する」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
ドロップセットはフェイラー後もさらに追い込めるから、通常のセットより多くの筋線維を動員できる。疲労した状態で限界を超えることが特別な筋肥大シグナルを生む。
研究が示すこと
Angleri et al.(2017)の12週間RCTでは、トレーニングボリューム(総挙上量)を等量に揃えた条件下でドロップセットと通常セットの筋肉量・筋力向上に有意差はなかった。筋線維断面積(超音波測定)も3群間で同等。ドロップセット自体が「ボリューム等量時に特別な刺激を持つ」というエビデンスは現状弱く、最大の利点は「通常より少ないセット数でほぼ同等のボリュームを確保できる時間効率」にある。
吉崎 槙吾
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「野菜ファーストは血糖値を下げる」は本当か? 食べる順番 通説 vs 研究
VS言われていること
野菜から食べ始めると食後血糖値の上昇が緩やかになる。食物繊維が糖の吸収を遅らせるから、炭水化物の食べ方が変わる。これを守れば太りにくくなる。
研究が示すこと
Shukla et al.(2015)のRCTでは、野菜・タンパク質・脂質を先に食べてから炭水化物を摂った場合、炭水化物ファーストと比較して食後30分・60分の血糖値が有意に(約29〜37%)低下し、インスリン値も有意に低く抑えられた。食べる順序が食後血糖値に実際の影響を持つことは複数のRCTで示されている。食物繊維・タンパク質・脂質が胃内容物の粘性を高め、糖の吸収を遅らせるメカニズムが関与する。
吉崎 槙吾
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「グリシン・GABAは睡眠を改善して回復を助ける」は本当か? 睡眠系サプリ 通説 vs 研究
VS言われていること
アミノ酸を飲んでも脳の神経伝達には影響しない。グリシンが睡眠を改善するなんて聞いたことがないし、科学的根拠がない。
研究が示すこと
Bannai et al.(2012)のRCTでは、睡眠制限条件下での就寝前グリシン3g摂取が翌日の主観的眠気・疲労感・認知機能(作業記憶・注意力)を有意に改善した。グリシンは体温低下(末梢血管拡張を介した放熱促進)と中枢での抑制系神経調節により自然な眠気を誘発するメカニズムが示唆されている。同グループの研究(Inagawa et al. 2006)でも就寝前グリシンによる睡眠の質改善(深睡眠増加)が確認されている。3gという少量で副作用なく実施できる。
吉崎 槙吾
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「HMBはクレアチンを超える筋肥大サプリ」は本当か? HMB 通説 vs 研究
VS言われていること
HMBはロイシンより効率よく筋タンパク合成を促進して筋分解を防ぐ。トレーニング経験者でも確実に筋肉量と筋力が増える。プロアスリートも使っている。
研究が示すこと
Sanchez-Martinez et al.(2018)のメタ分析では、トレーニング経験者・競技者を対象にしたHMB補充は筋肉量・筋力向上への有意な効果が多くの研究で示されなかった。効果が見られた場合も効果量は小さい傾向。初心者・高齢者では筋肉量維持や損失抑制の効果が一部示されているが、定期的にトレーニングする中〜上級者にはエビデンスが弱い。メーカー資金の研究では効果が過大評価される傾向も指摘されている。
吉崎 槙吾
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「断食すると筋肉が溶ける」は本当か? インターミッテントファスティング 通説 vs 研究
VS言われていること
16時間も食べないと体がエネルギー不足になり、筋肉を分解してエネルギーにする。プロテインを飲まない時間が長いと筋肉が落ちる。3〜4時間おきに食べないと筋合成が止まる。
研究が示すこと
Tinsley & La Bounty(2015)のレビューでは、十分なタンパク質摂取量を確保した場合、16〜24時間の短期断食で顕著な筋タンパク質の純損失は起きにくいことが示された。筋タンパク質合成(MPS)のスイッチには食事タイミングより24時間の総タンパク質摂取量の方が重要。断食中はある程度のタンパク質分解(異化)は起きるが、食事再開後のMPS増加がこれを補う。筋肉維持の鍵は「いつ食べるか」より「1日のトータルでどれだけのタンパク質とカロリーを摂るか」にある。
吉崎 槙吾
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「ケトジェニックダイエットは筋肉を落とす」は本当か? 糖質ゼロ 通説 vs 研究
VS言われていること
ケトジェニックダイエットでは糖質がないため体が筋肉を分解してグルコースを作る(糖新生)。どれだけタンパク質を摂っても筋肉は落ちる。
研究が示すこと
Vargas et al.(2018)のRCTでは、等タンパク質条件(体重1kgあたり1.6g程度)下でケトジェニック群と通常食群の除脂肪量変化に有意差はなかった。タンパク質摂取量が十分であれば、糖新生に必要なグルコースは食事性タンパク質と脂質から供給され、筋タンパク質は大きく動員されない。体重の0.5〜1%/週ペースの緩やかな減量ならケトジェニックでも筋肉維持は可能。ただし総カロリーが不足した場合は、どのダイエット法でも筋肉は落ちる。
吉崎 槙吾
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「糖質制限は脂質制限より痩せやすい」は本当か? ダイエット法比較 通説 vs 研究
VS言われていること
糖質制限の方が圧倒的に痩せやすい。インスリンが下がって脂肪が燃えやすくなるし、脂肪制限より長続きする。脂質制限はカロリー制限と変わらない。
研究が示すこと
Tobias et al.(2015)のメタ分析(53件のRCT)では、12ヶ月以上の長期比較で低脂肪食と低糖質食・地中海食などの体重減少に有意差はなかった。ホール(Hall)らの代謝室研究(2015)でも、等カロリー条件下では脂質制限と糖質制限の体重・体脂肪変化に臨床的に意味のある差はなかった。インスリン・炭水化物仮説(「炭水化物が脂肪を蓄積させる」)は代謝室研究では支持されなかった。
吉崎 槙吾
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「マグネシウムは筋肉の痙攣・睡眠・回復に効く」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
足がつったり筋肉が痙攣するのはマグネシウム不足が原因。マグネシウムを飲めば確実に痙攣が減る。スポーツ選手は全員飲んだ方がいい。
研究が示すこと
運動誘発性の筋肉痙攣(EAMC)の主要因はマグネシウム不足ではなく、神経筋疲労・脱水・電解質バランスの乱れが主体とする研究が多い。Miller et al.(2010)のレビューでは、EAMCに対するマグネシウムの有効性の根拠は弱く限定的。ただしマグネシウムが実際に欠乏している場合(発汗量が多いアスリート・低摂取)はサプリ補充で痙攣リスクが低減する可能性がある。「痙攣=マグネシウム不足」という一対一の対応は過剰な単純化。
吉崎 槙吾
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「マルチビタミンを飲めばパフォーマンスが上がる」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
マルチビタミンを飲めば微量栄養素が補強されてパフォーマンスが上がる。特に激しいトレーニングをしている人は消費量が多いので飲まないと損。全員が飲むべき。
研究が示すこと
Lukaski(2004)のレビューでは、十分な微量栄養素状態にある人がマルチビタミンを追加補充してもパフォーマンスの向上は見られなかった。欠乏状態の改善(欠乏→正常)にはパフォーマンス回復の効果が明確に示されるが、「正常→さらに高値」への追加補充での向上効果は示されていない。Gaziano et al.(2012, JAMA)の大規模RCT(Physicians' Health Study II)でも、マルチビタミンのがん予防効果は示されたが、パフォーマンス向上効果は対象外で、過剰摂取のリスク(脂溶性ビタミンの蓄積など)も存在する。
吉崎 槙吾
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「オメガ3は筋肉痛を消して筋肥大を助ける」は本当か? フィッシュオイル 通説 vs 研究
VS言われていること
フィッシュオイルは万能の炎症抑制サプリで、筋肉痛をほぼゼロにできる。毎日大量に飲めば飲むほど回復が早まる。
研究が示すこと
Jouris et al.(2011)のRCTなど複数の研究で、EPA・DHAの補充(2〜3g/日)がDOMSの重症度と持続時間を有意に軽減することが示されている。ただし効果は「消失」ではなく「軽減」のレベル。Smith et al.(2011)のRCTではオメガ3がmTOR経路を介して筋タンパク合成を補助する可能性も示された。2〜3g/日の適切な摂取量での効果は示されているが、5g/日以上の高用量毎日投与が必ずしも追加効果をもたらすとは限らない。
吉崎 槙吾
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「プロテインバーは食事の代わりになる」は本当か? 加工プロテイン食品 通説 vs 研究
VS言われていること
プロテインバーには25〜30gのタンパク質が入っているから、鶏胸肉と同じ筋肥大効果がある。忙しい時はプロテインバーで完全に食事を代替できる。
研究が示すこと
タンパク質量が等量なら急性の筋タンパク合成刺激は同等に近いが、食事の代替として常用する場合には複数の問題がある。プロテインバーの多くは糖アルコール(消化不良・腹部膨満の原因になりやすい)・人工甘味料・高加工成分を含み、ホールフードと比較して飽和感が低く・微量栄養素が乏しい。超加工食品(UPF)の慢性摂取は体重増加・代謝疾患リスクと関連するという大規模観察研究(NOVA分類研究)が複数ある。「1〜2本/日の補助的使用」と「毎食代替」では栄養の質が大きく異なる。
吉崎 槙吾
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「2週間で筋肉がついた」は本当か? 筋トレ効果のタイムライン 通説 vs 研究
VS言われていること
筋トレを始めて2週間で力が出るようになった。筋肉がついて強くなった証拠だ。プロテインを飲んでいるから成果が早く出ている。
研究が示すこと
Damas et al.(2015)のレビューでは、トレーニング開始後1〜4週間の筋力向上の主体は神経系適応(運動単位の動員効率向上・筋間協調の改善・抑制系神経の減退)であり、筋横断面積の増加は限定的。この期間の筋タンパク質合成の増加は損傷修復に優先的に使われるため、構造的な筋肥大への寄与は少ない。早期の「急に力が出た」感覚は主に神経系の慣れである。
吉崎 槙吾
強い根拠あり判定を見る → - 研究 vs 勘全2ラウンド
「セット間の休憩は短いほど筋肥大に効く」は本当か? インターバル通説 vs 研究
VS言われていること
短い休憩で代謝ストレスをかけると成長ホルモンが大量に分泌される。疲れた状態でセットを重ねる方が筋肥大に効果的で、長く休むほど成長刺激が逃げていく。
研究が示すこと
短い休憩が代謝ストレス・血中乳酸・一過性の成長ホルモン上昇をもたらすのは事実。しかしSchoenfeld et al.(2016)の直接比較RCTでは、3分休憩グループが1分休憩グループより筋肉量・筋力ともに有意に大きく増加した。成長ホルモンの短期上昇と長期的な筋肥大の相関は弱く、決定的な因子は次のセットでの総挙上ボリューム(重量×回数×セット数)の確保にある。
吉崎 槙吾
強い根拠あり判定を見る → - 研究 vs 勘全2ラウンド
「多少の睡眠不足はサプリで補える」は本当か? 睡眠 vs 筋肥大への影響
VS言われていること
5〜6時間でも十分に回復できる。プロアスリートでも睡眠が短い人はいる。サプリや食事をしっかりすれば睡眠が少なくてもカバーできる。
研究が示すこと
Dattilo et al.(2011)のレビューでは、睡眠中(特に徐波睡眠)に成長ホルモン(GH)分泌のピークを迎え、睡眠不足でこのGH分泌が顕著に抑制されることが示された。また関連するLeproult & Van Cauter(2011, JAMA)のRCTでは、1週間の睡眠制限(5時間/夜)で若年男性のテストステロンが10〜15%低下した。コルチゾールは筋タンパク分解を促進するが、睡眠制限はコルチゾールを有意に上昇させる。サプリメントはこれらのホルモン変化を代替できない。
吉崎 槙吾
強い根拠あり判定を見る → - 研究 vs 勘全2ラウンド
「大豆・豆乳を飲むと男性のテストステロンが下がる」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
大豆・豆乳・ソイプロテインを摂ると植物性エストロゲン(イソフラボン)が体内でエストロゲンとして作用し、男性のテストステロンを下げる。筋トレする男性は大豆を避けるべきだ。
研究が示すこと
Hamilton-Reeves et al.(2010)のメタ分析(15研究・384名)では、通常の大豆タンパク質・イソフラボン摂取量では男性のテストステロン・エストロゲン・LH・FSHに有意な影響がなかった。大豆イソフラボン(ダイゼイン・ゲニステイン)はヒトのエストロゲン受容体への親和性が天然エストロゲン(エストラジオール)の1/100〜1/10000程度と低く、通常摂取量での生理的影響は限定的。欧米人と日本人の大豆摂取量(日本人の平均30〜50mg/日のイソフラボン)での問題は観察研究でも示されていない。
吉崎 槙吾
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「砂糖を食べると太る」vs「太るのはカロリーオーバー」どちらが正しいか? 通説 vs 研究
VS言われていること
砂糖はカロリーに関係なく太る。血糖スパイク→インスリン大量分泌→脂肪蓄積というメカニズムがあるから、カロリーが同じでも砂糖を摂ると太りやすい。
研究が示すこと
Te Morenga et al.(2012)のメタ分析(BMJ)では、等カロリー条件(砂糖の増減分を他の栄養素で補った)での比較では砂糖摂取量と体重変化に有意差はなかった。体重増加が起きたのは砂糖を増やして総カロリーが増えたケース。Hall et al.の代謝室研究(2015)でも等カロリー条件での砂糖制限は体脂肪変化に有意な優位性を示さなかった。根本はカロリーバランスであり、「砂糖だから太る」はカロリーを超えた特別なメカニズムではない。
吉崎 槙吾
強い根拠あり判定を見る → - 研究 vs 勘全2ラウンド
「スーパーセットは通常トレより効率的」は本当か? 組み方で変わる現実 vs 研究
VS言われていること
スーパーセットは時間が半分で同じ効果が得られる。一方の筋肉を鍛えている間、もう一方の筋肉は完全に休んでいるから、トレーニング量も落ちない。
研究が示すこと
拮抗筋のスーパーセット(例:ベンチプレス+ベントオーバーロウ、アームカール+トライセップス)については、Robbins et al.(2010)などの研究で通常のストレートセットと同等の筋力・パワー向上を示しつつ、トレーニング時間を有意に短縮することが確認されている。一方が鍛えられている間に他方が回復できるため、疲労蓄積が少なく総ボリュームも維持しやすい。
吉崎 槙吾
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「水をたくさん飲むと痩せる」は本当か? 水分補給 通説 vs 研究
VS言われていること
水をたくさん飲むと代謝が上がって脂肪が燃えやすくなる。1日2〜3Lの水を飲むだけで体脂肪が落ちていく。
研究が示すこと
水の摂取が一時的に安静時代謝を上昇させるという研究(Boschmann et al. 2003)はあるが、効果量は小さく(500mL摂取で30分間に代謝が約30%上昇)、1日の総エネルギー消費に与える影響は限定的。水が直接「脂肪を燃やす」わけではなく、脂肪酸化率の有意な増加は示されていない。水が減量に有用な理由は代謝促進ではなく、食欲抑制・食事のカロリー置換・脱水防止による代謝効率維持にある。
吉崎 槙吾
中程度の根拠判定を見る → - 研究 vs 勘全3ラウンド
「プロテインは全部同じ」は本当か? ホエイ・ソイ・カゼイン比較 通説 vs 研究
VS言われていること
プロテインはどれを飲んでも同じ。タンパク質量だけを揃えれば、ソイでもカゼインでもホエイと同じ効果がある。種類の違いなんて気にしすぎ。
研究が示すこと
Tang et al.(2009)のRCTでは、レジスタンス運動後の筋タンパク質合成(MPS)はホエイ加水分解物>ソイ≒カゼインの順で、ホエイが他の2種類を有意に上回った。主因はホエイのロイシン含量(約11%)の高さとmTORC1シグナルの強い活性化、および速い消化吸収速度。ただしこの差は食事全体のタンパク質摂取量が少ない場合に顕著で、十分な総タンパク質量(1.6〜2.0g/kg/日)が確保されていれば差は縮小する。
吉崎 槙吾
中程度の根拠判定を見る → - 研究 vs 勘全2ラウンド
「女性がウェイトトレーニングをすると男性化する」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
女性がベンチプレスやスクワットで重い重量を扱うと、筋肉がつきすぎて女性らしい体型が失われる。男性ボディビルダーのような体になってしまう。
研究が示すこと
Roberts et al.(2020)のシステマティックレビューでは、女性のテストステロン値は男性の5〜10%程度であり、同じトレーニングを行っても筋肉量の絶対的な増加量は男性より少ない。通常のウェイトトレーニング(週3〜4回)で男性ボディビルダーに近い筋肉量に到達することは生理的にほぼ不可能。プロ女性ボディビルダーの体型は、長年の専門トレーニング・食事管理に加え、多くの場合ホルモン投与が背景にある。
吉崎 槙吾
強い根拠あり判定を見る → - 研究 vs 勘全3ラウンド
「各部位は週1回・徹底的に」は本当に最適か? ブロスプリット通説 vs 研究
VS言われていること
各部位を週1回、セット数を多く組んで徹底的に追い込めば最大の筋肥大が得られる。48〜72時間の超回復が必要だから、むしろ週1回で十分に回復させる方が効率的だ。プロのボディビルダーもこのやり方で大きくなっている。
研究が示すこと
週ボリューム(総セット数)を等量に揃えた比較では、週2回以上に分割した方が筋肥大効果が同等か上回るとするメタ分析がある。Schoenfeld et al.(2016)のRCTでは、週ボリュームを等量に揃えた条件下で週3回グループが週1回グループより筋肥大が有意に大きかった。ただし研究参加者は中級者が多く、超高ボリュームが必要な上級者ではブロスプリットが唯一の現実解になりうる点は留意が必要。
吉崎 槙吾
賛否が分かれる判定を見る → - 研究 vs 勘全3ラウンド
「炭水化物は夜に摂ると太る」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
夜は活動量が落ちて代謝が下がるから、炭水化物のエネルギーが使われずそのまま脂肪に変わる。夕食以降の炭水化物は昼のそれより太りやすい。
研究が示すこと
体脂肪の変化は「総摂取カロリー − 総消費カロリー」の収支で決まる。夜間の安静時代謝は昼より若干低下するが、その差は小さく(概日リズムの影響は総消費の5〜10%程度)、炭水化物のタイミングだけで有意な体組成の悪化を引き起こすという直接的なエビデンスは乏しい。Sofer et al.(2011)のRCTでは、炭水化物を夕食に集中させたグループが朝・昼に分散したグループより体重・体脂肪の減少が大きく、満腹感ホルモン(レプチン・アディポネクチン)の日中プロフィールが改善した。「夜の炭水化物=太る」を直接支持するRCTは見当たらない。
吉崎 槙吾
強い根拠あり判定を見る → - 研究 vs 勘全3ラウンド
「チートデイで停滞打破」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
減量が止まったら週1回チートデイを入れるのが定番の解決策。大量に食べることで代謝が上がり、停滞が解消される。レプチンも回復するから翌週からまた落ちやすくなる。
研究が示すこと
1日のオーバーカロリーがTDEE(総消費カロリー)を有意かつ持続的に引き上げるという強いエビデンスは現時点で存在しない。レプチンは短期のオーバーフィーディングで一時的に上昇することは報告されているが(Dirlewanger et al., 2000)、その効果は12〜24時間程度で消失し、代謝適応(adaptive thermogenesis)を有意に逆転させるには不十分とされる(Trexler et al., 2014)。停滞の主因は代謝適応と、知らず知らずの活動量低下(NEAT低下)であることが多く、1日の過食がそれを解消するメカニズムは支持されていない。
吉崎 槙吾
賛否が分かれる判定を見る → - 研究 vs 勘全3ラウンド
「クレアチンは体感がないから効いていない」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
プレワークアウトを飲めばスイッチが入る感覚がある。クレアチンも同じように、何か「効いている」感覚があるはず。体感がないということは、自分の体には効いていないか、品質の悪いものを買ってしまったのではないか。
研究が示すこと
クレアチンの主な作用は、筋細胞内のホスホクレアチン貯蔵量を増やしてATP再合成速度を高めることである。このプロセスは細胞レベルで起きるため、カフェインのような覚醒感・血管拡張感・ヒリヒリ感(ベータアラニンのパレスセシア)といった自覚症状を生まない。効果が出るのは「高強度の短時間運動を繰り返す」場面での出力維持であり、日常動作や有酸素運動では体感しにくい。クレアチンはサプリメントではなく「エルゴジェニックエイド(競技補助剤)」として機能するため、評価は体感ではなくパフォーマンス指標(挙上重量・反復回数・筋肉量)で行う必要がある。
吉崎 槙吾
強い根拠あり判定を見る → - 研究 vs 勘全3ラウンド
「増量はとにかくたくさん食べるのが正解」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
増量期は食べれば食べるほど筋肉になる。カロリーを余らせると筋肉が増えないから、1日に3,000〜5,000 kcalでも食べ続けるべきだ。
研究が示すこと
筋タンパク合成速度には生物学的な上限があり、カロリーサープラスが一定量を超えると筋肥大の追加効果はほぼ頭打ちになる。Phillips & Van Loon (2011) のレビューでは、タンパク質摂取量と筋肉合成の関係にもプラトーが確認されており、過剰な総カロリーは主に体脂肪として蓄積されることが示されている。現実的な筋肉増加速度(中級者で月0.5〜1 kg程度)から逆算すると、1日200〜500 kcal程度のサープラスで十分とされることが多い。
吉崎 槙吾
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「筋肉痛がなければ効いていない」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
筋肉痛はトレーニングで筋線維が傷ついた証拠。痛みがなければ十分な刺激が入っていないので筋肥大は起きない。毎回しっかり筋肉痛になるくらい追い込むべきだ。
研究が示すこと
DOMSは筋肥大の必要条件ではない。Schoenfeld & Contreras(2013)は、筋肉痛は筋適応の信頼できる指標ではなく、単に筋損傷の副産物に過ぎないと論じている。Damas ら(2016)の研究では、トレーニング開始初期は筋損傷(=DOMS)が大きいが、数週間後に損傷が軽減されても筋タンパク合成速度は維持されたままであることが示された。つまり、慣れによってDOMSが消えても筋肥大プロセスは継続している。
吉崎 槙吾
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「EAAはBCAAより優れている」は本当か? 現場の人気 vs 研究
VS言われていること
BCAAはロイシンで合成スイッチを入れるが、残りの必須アミノ酸が揃っていないから不完全。EAAなら9種全部入りだから合成がちゃんと回る。EAAの方が明らかに上。
研究が示すこと
筋タンパク質合成には9種の必須アミノ酸(EAA)がすべて必要であることは確立した事実。BCAAだけでは合成の「材料」が揃わず、体は残りのEAAを調達するために既存の筋肉を分解するリスクがある(Wolfe 2017)。静脈内BCAA単独投与の研究では、筋タンパク質合成と分解がともに低下し、正味の同化効果はゼロだった。一方、EAAを含む完全なアミノ酸源(ホエイなど)は合成率を有意に高める。ただし「BCAA単独 vs EAA単独」を直接比較したRCTは限られており、EAAの優位性を量的に示したエビデンスの蓄積はまだ発展途上といえる。
吉崎 槙吾
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「高いプロテインほど質が高い」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
高いプロテインはアミノ酸スコアが高く、吸収がよく、不純物が少ない。だから高価なほど筋肉への効果も高い。安いプロテインはフィラーだらけで意味がない。
研究が示すこと
筋タンパク合成(MPS)の刺激には、タンパク質の総量・ロイシン含有量・アミノ酸プロファイル・消化吸収速度が規定する。Morton ら(2018)のメタ分析(49件・1,800名超)は、タンパク源の種類よりも摂取量と総アミノ酸の質が主要因であることを示す。同等の原料(ホエイコンセントレート同士など)であれば、価格帯が異なっても成分が揃っている限り筋肥大効果に差は生じない。価格差を生む主な要素はブランド、フレーバー技術、第三者認証コスト、マーケティング費用であり、タンパク含有量あたりの費用対効果を見れば高価格品が優れているとはいえないケースが多い。
吉崎 槙吾
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「チーティングで高重量を扱えば筋肥大が増す」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
反動を使ってでも高重量を扱うことが大事。ターゲット筋への総負荷が増えるし、強烈なオーバーロードが成長シグナルになる。ボディビル界の先人たちもチーティングカールで大きな腕を作ってきた。
研究が示すこと
チーティング(反動フォーム)による高重量操作が、フルROMのコントロールされたフォームより筋肥大を増加させるという直接的なRCTは現時点でほぼ存在しない。高重量を扱えても実際にターゲット筋に伝わる張力が減れば筋肥大刺激は低下しうる。また反動で加速した局面ではターゲット筋への負荷が短縮し、関節や補助筋に力が分散するため、高重量=高刺激とは必ずしもならない。追い込みとボリューム(rep-range-failure-rctが示す通り)が筋肥大の主な規定因子であり、フォームを崩してまで重量を増やす根拠は現状の研究では支持されていない。
吉崎 槙吾
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「グルタミンはトレーニーに必須」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
グルタミンは筋肉の材料であり、トレーニング後の回復を早める。筋肉痛が減り、次のトレーニングまでのリカバリーが改善される。
研究が示すこと
健康なトレーニーを対象とした複数のレビューでは、グルタミンサプリが筋肥大・回復・筋力パフォーマンスに与える追加効果は限定的であることが示されている。Candow et al.(2001)のRCTでは、レジスタンストレーニング中のグルタミン補給(0.9g/kg除脂肪体重/日)は筋力・除脂肪体重・筋グリコーゲン回復のいずれにおいてもプラセボと差がなかった。健康な人は食事から十分なグルタミンを合成・摂取でき、腸・肝臓・免疫細胞が優先的に消費した後でも血中濃度は維持されやすい。
吉崎 槙吾
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「PFCさえ合えば食品の質は何でもいい(IIFYM)」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
タンパク質・脂質・炭水化物のグラム数が同じなら、チキンブレストでもマクドナルドでも体重の変化は変わらない。体は「鶏肉か揚げ物か」を区別しない。カロリー収支こそが全てだ。
研究が示すこと
短期的な体重変化はPFCとカロリーが揃えばほぼ同じになるとする研究は存在する。しかし超加工食品中心の食事と非加工食品中心の食事を比較した研究(Hall et al., 2019)では、超加工食品群が自由摂取条件下で平均500 kcal/日多く摂取し、体重増加も有意に大きかった。また超加工食品は食物繊維・微量栄養素が乏しく、ビタミンやミネラルの不足が体組成・回復・ホルモン環境に間接的な影響を与える可能性がある。「PFCを厳密に揃えた条件」では差が縮まるが、現実の食行動では超加工食品は過食を誘発しやすい。
吉崎 槙吾
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「食事回数を増やすと代謝が上がる」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
食事のたびに体が「消化・吸収モード」に入るので、回数が多いほど1日の消費カロリーが増える。代謝の火を絶やさないことが重要だ。
研究が示すこと
TEFは総摂取カロリーのおよそ10%で決まり、1回あたりの食事量ではなく1日の総摂取量に比例する。同じカロリーを3回に分けても6回に分けても、24時間のTEF合計はほぼ変わらないことが複数の代謝研究で示されている。「代謝の火を絶やさない」という表現は、TEFの仕組みを誤って解釈したものである。
吉崎 槙吾
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「プレワークアウトの覚醒感は実力かプラセボか」— 通説 vs 研究
VS言われていること
プレワークアウトを飲むと明らかに集中力が上がって力が出る。飲んだ日と飲まない日では体感がまったく違う。あれは絶対に効いている。
研究が示すこと
主成分のカフェインには強力なエビデンスがある。カフェインはアデノシン受容体を拮抗阻害することで眠気を抑制し、覚醒・集中力を高める。筋力・パワー・筋持久力・有酸素パフォーマンスに対する正の効果は複数のメタ分析で一貫して確認されている(Grgic et al. 2018)。効果量は筋力で平均+3〜7%程度。覚醒感は主にカフェインによるもので、プラセボではなく薬理作用として確立されている。ただし個人差(CYP1A2遺伝子多型による代謝速度の違い)は大きく、同じ摂取量でも効果は人により異なる。
吉崎 槙吾
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「タンパク質は体重×2g摂るべき」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
筋肉をつけたいなら体重(kg)×2gはマスト。それ未満では筋合成が不十分で、せっかくのトレーニングが無駄になる。プロもアマもこの数字を基準にしている。
研究が示すこと
Morton ら(2018)による49件・1,800名以上を対象としたメタ分析では、タンパク質補給による筋肉量増加の効果は約1.62 g/kg/日で頭打ちになると報告されている。2 g/kgはその上限をわずかに超える数値であり、追加摂取による筋肥大への上乗せ効果はごくわずかか有意差なしとされる。ただし個人差(遺伝、トレーニング歴、年齢)があり、余裕を持って2gを目安にすることは実害が少ない合理的な選択でもある。
吉崎 槙吾
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「減量中こそタンパク質を増やすべき」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
減量中は筋肉が異化されやすい。タンパク質を普段より多く摂って(体重×2g以上)おかないと、せっかく作った筋肉がどんどん落ちてしまう。
研究が示すこと
Helms ら(2014)によるカロリー制限下のリーンなレジスタンストレーニング実施者を対象としたシステマティックレビューでは、維持量(1.6 g/kg)より多い2.0〜2.4 g/kgが筋肉保持に有効とされる。カロリー制限下ではアミノ酸がエネルギー基質として優先的に使われるため、筋タンパク質合成に回る割合が低下し、実質的な必要量が増加する。Hector & Phillips(2018)のレビューも、減量期のアスリートには2.0 g/kg以上を推奨している。通説の「増やすべき」方向性は研究によって支持される。
吉崎 槙吾
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「パンプ感は筋肥大のサインだ」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
パンプが出るとき、筋肉に血液と栄養が集まって筋肥大が促進されている。パンプが強いほどそのセットの筋肥大効果は高い。パンプが出なかった日は筋肉に刺激が入っていない証拠だ。
研究が示すこと
パンプの正体は、高反復・高密度のトレーニング中に筋肉内の血流が増加し、血漿が筋細胞間質に移動することで生じる一時的な細胞膨張(cell swelling)および静脈閉塞による血液貯留である。これは血流増加と代謝産物(乳酸・水素イオン・無機リン酸)の蓄積によるメカニズムで、筋タンパク質合成の直接指標ではない。筋肥大は概ね48〜72時間以上にわたる適応プロセスであり、セッション中の膨張感とは別のメカニズムで進行する(Schoenfeld 2010)。パンプの強さと筋肥大量を直接比較した縦断的RCTは現時点で存在しない。
吉崎 槙吾
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「トレーニング頻度は多いほど伸びる」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
同じ部位を週1回より週3〜4回叩いた方が筋肥大は速い。タンパク質合成は48時間で戻るから、週1回では刺激が足りない。高頻度トレーニングの選手が発達しているのがその証拠だ。
研究が示すこと
総ボリューム(セット数×レップ数×重量)を揃えた比較では、頻度そのものの独立した影響は限定的であることが複数のメタ分析で示されている(Ralston et al. 2017; Colquhoun et al. 2018)。週2回と週3〜4回を同一ボリュームで比べた場合、筋肥大・筋力の差は小さい。ただし、頻度を上げると1セッションあたりのボリュームを分散でき、結果として週の総ボリュームが増えやすい——この「ボリュームが増えること」が筋肥大を促進しているとみられる。頻度自体よりも「頻度を増やすことでボリュームが稼ぎやすくなる」という間接的な恩恵が大きい。
吉崎 槙吾
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「限界まで追い込まないと筋肉は育たない」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
筋肉は限界を超えた瞬間にしか成長しない。最後の一回が完全に挙げられなくなるまで追い込まないと、筋繊維への刺激が足りず筋肥大は起きない。プロのボディビルダーが毎回フェイラーまでやるのはそのためだ。
研究が示すこと
フェイラーが筋肥大の「必須条件」であるという根拠は現時点で支持されていない。RIR 1〜3(フェイラーの1〜3レップ手前)で終了した群と、フェイラーまで追い込んだ群を比較したRCTおよびメタ分析では、筋肉量の増加に有意差が認められないケースが多い(Grgic et al. 2022; Schoenfeld & Grgic 2019)。筋肥大のシグナルは最大努力の近傍で十分に発火しており、最後の数レップが「必須」とは言えないと考えられている。ただし、追い込みが浅すぎる(RIR 5以上)場合は筋肥大刺激が不足するという報告もあり、「ある程度追い込む」ことは重要だ。
吉崎 槙吾
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「ZMAはテストステロンを上げる」は本当か? 通説 vs 研究
VS言われていること
ZMAを飲めばテストステロンが上がる。亜鉛とマグネシウムが睡眠中のホルモン分泌を最適化するから、筋肉もつきやすくなる。これはブロではなく研究でも証明されている。
研究が示すこと
ZMAのテストステロン上昇効果を最初に主張したのは、ZMAの特許を持つ開発者が共著のBrilla & Conte(2000)だった。しかし同成分を対象にした独立したRCT(Koehler et al. 2009、被験者42名)では、8週間のZMA摂取後に血中亜鉛・マグネシウム濃度は上昇したものの、血清テストステロンおよびIGF-1には有意な変化が認められなかった。利益相反のない試験でテストステロン上昇を再現した研究は現時点で存在しない。
吉崎 槙吾
根拠は弱い判定を見る → - 解説
ビートルートパウダーは持久力を上げるか?硝酸塩と一酸化窒素の仕組み
ビートルートパウダーに豊富な食事性硝酸塩(NO3-)が体内で一酸化窒素(NO)に変換され、血管拡張と筋肉への酸素供給効率の向上をもたらす。複数のメタ分析でタイムトライアルパフォーマンスの有意な改善(効果量 d=0.79)が確認されており、初〜中級者を中心にエビデンスは比較的強い。
吉崎 槙吾
- 解説
カルシウムサプリの正しい使い方:骨密度維持のエビデンスと注意点
研究では、カルシウム補給は特に食事からの摂取量が不足している人や閉経後女性で骨密度の低下を抑制する効果が示されています。ビタミンDとの併用で吸収効率が高まりますが、過剰摂取は心血管系へのリスクを高める可能性があるため、上限量の範囲内での使用が推奨されます。
吉崎 槙吾
- 解説
シトルリンとは何か:NOを増やしてパフォーマンスを上げる仕組み
シトルリンは体内で一酸化窒素(NO)の前駆体となるアミノ酸で、アルギニンより腸からの吸収率が高く、血中NOレベルをより効果的に高めます。RCTでは、シトルリンマレート8gの単回投与でベンチプレスの反復回数が約53%増加し、翌日の筋肉痛が40%低下したという結果が報告されています。
吉崎 槙吾
- 解説
コラーゲンペプチドガイド:関節・皮膚・腱への効果とビタミンCとの組み合わせ
研究では、コラーゲンペプチドは腱・靭帯のコラーゲン合成を促進し、関節痛軽減や皮膚弾力改善に寄与することが示されている。ただし単に飲むだけでなく、ビタミンCとの同時摂取と運動前1時間前の摂取タイミングが効果を最大化するうえで重要だ。
吉崎 槙吾
- 解説
CoQ10とPQQ:ミトコンドリアをサポートする2つの成分の役割と使い方
CoQ10はミトコンドリアでのATP産生を直接支援する補酵素で、特にスタチン服用者や心不全患者での研究実績があります。PQQはミトコンドリアの新生(新たなミトコンドリアを増やす)を促す可能性が動物・初期ヒト研究で示されていますが、ヒトでのエビデンスはまだ限定的です。組み合わせる意義は「維持+新生」の相補関係にありますが、現時点では臨床的に強い根拠はありません。
吉崎 槙吾
- 解説
クルクミンサプリメントガイド:抗炎症・筋肉痛軽減とバイオアベイラビリティの問題
研究では、クルクミンは運動後の炎症マーカーを有意に低下させ、筋肉痛(DOMS)スコアを軽減することが示されている。ただしクルクミン単体のバイオアベイラビリティは非常に低く、ピペリン(黒コショウ成分)との組み合わせなど吸収を高める製品を選ぶことが効果を得るための鍵だ。
吉崎 槙吾
- 解説
電解質サプリメントガイド:運動時の水分・ミネラル補給と筋肉クランプ予防
研究では、60分を超える激しい運動では水単独より電解質(ナトリウム・カリウム・マグネシウム)を含むスポーツドリンクがパフォーマンス維持に優れることが示されている。体重の2%以上の脱水で運動能力が有意に低下し、長時間の発汗によるナトリウム喪失は筋肉クランプリスクを高める。
吉崎 槙吾
- 解説
葉酸(フォレート)サプリの使い方:妊娠前から飲むべき理由とメチル化の役割
研究では、妊娠前から妊娠初期にかけての葉酸補給が神経管閉鎖障害のリスクを約72%低下させることが示されています。葉酸はDNA合成とメチル化サイクルに不可欠な補酵素であり、食事だけでは必要量を確保しにくいためサプリメントが推奨されています。
吉崎 槙吾
- 解説
グルコサミン・コンドロイチンは関節に効くのか? 大規模研究が示すリアルな答え
大規模RCTでは全体的に有意差は確認されませんでしたが、重症の変形性関節症では組み合わせ投与での疼痛軽減効果が示されています。安全性が高く副作用が少ないため、特に重い関節症状のある人が試す選択肢の一つとして研究で検討されています。
吉崎 槙吾
- 解説
鉄サプリは必要か?運動パフォーマンスと鉄欠乏のエビデンス
鉄が欠乏している場合、補給によってVO2maxが平均+3.9 ml/kg/分改善するエビデンスがある。貧血のない潜在性鉄欠乏でも持久力が低下するため、特に月経のある女性・持久系競技者・ベジタリアンは鉄の状態を定期的に確認することが有益。ただし鉄が正常な人に追加補給しても効果は期待できず、過剰摂取はリスクを伴う。
吉崎 槙吾
- 解説
L-カルニチンとは何か:脂肪を燃やす「運び屋」の実力と限界
L-カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアへ運ぶ役割を担うアミノ酸誘導体です。メタ分析(9件のRCT)では、プラセボと比較して体重・BMIが有意に低下したという結果が報告されていますが、効果量は小さく、食事管理や運動との組み合わせが前提とされています。単独での劇的な脂肪燃焼は研究では確認されていません。
吉崎 槙吾
- 解説
マカは本当に効くのか?性欲・精力・運動パフォーマンスへの効果をエビデンスで確認する
性欲の改善については複数のRCTで弱〜中程度のエビデンスがあります。ただし試験規模は小さく、テストステロン・エストロゲンへの直接作用は確認されていません。「精力剤」として断定できる段階ではなく、マカアミドなどの植物化学物質による間接的な作用が研究で示唆されています。
吉崎 槙吾
- 解説
メラトニンサプリメントガイド:睡眠への効果と正しい使い方
研究では、メラトニンは睡眠潜時(入眠までの時間)を平均約7分短縮し、概日リズムの乱れによる睡眠障害に特に効果的であることが示されている。一般的な睡眠薬と比べて依存性が低く、0.5〜1mgの低用量から試す価値がある。
吉崎 槙吾
- 解説
プロバイオティクスサプリメントガイド:腸内環境と免疫への効果
研究では、プロバイオティクスは過敏性腸症候群(IBS)の症状を有意に軽減し、腸内環境の改善と免疫機能サポートに貢献することが示されている。ただし効果は菌株によって大きく異なり、製品選びが重要だ。
吉崎 槙吾
- 解説
タウリンサプリの基本:持久力・筋肉疲労への効果と用量
メタ分析では、タウリン補給(1〜3g/日)が持久力(疲労困憊までの時間)を有意に改善するという中程度の効果が示されています。筋力への効果は持久力ほど強くはありませんが、安全性は高く、幅広いアスリートに試しやすい選択肢です。
吉崎 槙吾
- 解説
ターメリック(ウコン)サプリの選び方:クルクミンと黒胡椒の関係
ターメリック(ウコン)はスパイスとして馴染み深い食材ですが、健康効果の研究で注目されているのは主成分の「クルクミン」です。ただしクルクミンは体内に吸収されにくく、黒胡椒(ピペリン)との組み合わせでバイオアベイラビリティが大きく向上することが研究で示されています。サプリを選ぶなら、クルクミン濃度とピペリン含有の有無が重要な判断基準になります。
吉崎 槙吾
- 解説
ビタミンBコンプレックスの基礎知識:エネルギー代謝の補酵素と欠乏症
ビタミンB群はATP産生・TCAサイクル・脂肪酸代謝に不可欠な補酵素で、欠乏すると神経症状・皮膚炎・貧血などが現れます。研究では、欠乏者への補給は症状改善に明確な効果があることが示されていますが、すでに充足している健常者への追加効果は限定的とされています。
吉崎 槙吾
- 解説
ビタミンB50とは?均等配合フォーミュラの特徴と使いどころ
ビタミンB50とは、各ビタミンB群(B1・B2・B3・B6・B12など)を50mg/mcg均等に配合したフォーミュラです。研究では、ビタミンB群の補給は欠乏者において神経症状・皮膚炎・貧血などの改善に明確な効果があることが示されていますが、すでに充足している健常者への追加効果は限定的とされています。
吉崎 槙吾
- 解説
ビタミンCサプリメントガイド:免疫・コラーゲン合成への効果と正しい用量
研究では、激しい持久系運動を行うアスリートに対して、ビタミンCは運動後の上気道感染リスクを約50%低下させることが示されている。一般的な集団での予防効果は限定的だが、免疫細胞の機能維持やコラーゲン合成には欠かせない栄養素だ。
吉崎 槙吾
- 解説
ビタミンK2サプリメントガイド:骨密度維持と動脈石灰化予防への役割
研究では、ビタミンK2(特にMK-7形態)は骨タンパク(オステオカルシン)を活性化して骨密度の低下を抑制し、カルシウムを骨に誘導することで動脈石灰化を防ぐ方向に働くことが示されている。ビタミンDとの組み合わせで相乗効果が期待される。
吉崎 槙吾
- 解説
亜鉛サプリのエビデンス:免疫・テストステロン・筋肉への効果と注意点
亜鉛が欠乏している場合は、補給によって免疫機能の改善やテストステロンの正常範囲への回復が確認されている。ただし亜鉛が十分な人に追加補給してもテストステロンは上がらない。欠乏かどうかを確認してから摂るのが合理的。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘全4ラウンド
「高重量でないと筋肉は付かない」は本当か? レップ数と筋肥大の関係
VS言われていること
筋肥大に最適なレップ数は8〜12回。これより重くても軽くても効率が落ちる。プロのボディビルダーが中重量を使うのはそのためで、パワーリフターは筋力は付くが筋肉の見た目は劣る。
研究が示すこと
「8〜12レップ帯が特別に優れる」というエビデンスは現時点では支持されない。ボリューム(総負荷量:重量×レップ数×セット数)を等量にしてフェイラー近くまで追い込めば、1〜5レップでも25〜35レップでも筋肥大量はほぼ同等だとメタ分析とRCTが一貫して示している(Schoenfeld et al. 2017; 2015)。ただし低負荷では同等の筋肥大を得るためにより多いセット数・レップ数が必要で、主観的な努力感(RPE)も高くなる。8〜12レップが「実用的に効率がいい」のは事実だが、それは生理学的に特別な帯域だからではなく、適切な重量設定と回数でボリュームを稼ぎやすいからだ。
吉崎 槙吾
賛否が分かれる判定を見る → - 研究 vs 勘全4ラウンド
「BCAAは効く」は本当か? BCAA単体に筋肥大・回復効果はあるか
VS言われていること
BCAAを飲むと筋タンパク質合成が高まって筋肉が付きやすくなる。特にロイシンが同化スイッチを入れるから、トレーニング前後に飲む意味がある。
研究が示すこと
ロイシンがmTOR経路を活性化して筋タンパク質合成の「スイッチ」を入れることは事実。しかしBCAA(3種のアミノ酸)だけでは合成の「材料」が揃わない。筋タンパク質を作るには9種の必須アミノ酸(EAA)すべてが必要で、残りのEAAが不足すると体は既存の筋肉を分解して材料を調達する。静脈内BCAA単独投与の研究では、筋タンパク質合成と分解がともに低下し、正味の同化効果はゼロだった(Wolfe 2017)。十分な食事タンパク質(ホエイなど)を摂っている人がさらにBCAAを追加しても、筋肥大への上乗せ効果を示したRCTはほとんどない。
吉崎 槙吾
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