BODYDATA
研究 vs 勘

「お酒を飲んでも筋肥大・減量に関係ない」は本当か? アルコール 通説 vs 研究

公開日: 2026-06-30

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

「週末の一杯くらいは問題ない」「飲んでも筋肉は落ちない」——アルコールとトレーニングの関係について、都合のいい解釈が横行している。実際にアルコールが筋タンパク合成・脂肪燃焼に与える影響を研究から見ていく。

Round1

トレーニング後のアルコール摂取は筋タンパク合成を妨げるか

言われていること

「筋トレ後の一杯」を正当化するコミュニティ

プロテインとアルコールを一緒に飲めば問題ない。タンパク質が十分あればアルコールの影響を打ち消せる。飲んでも次の日にトレーニングすれば問題ない。

VS

研究が示すこと

  • Parr et al.(2014)の直接比較RCTでは、コンカレントトレーニング後にアルコール(1.5g/kg体重相当)を摂取したグループは、プロテイン単独グループと比較して筋線維タンパク質合成が最大24%抑制された。
  • 特に注目すべきはプロテインをアルコールと同時に摂取したグループでも抑制が観察されたこと。
  • アルコールはmTOR経路の下流で筋タンパク合成シグナルを妨害する可能性がある。
  • テストステロンもアルコール後に一時的に低下する。
判定

トレーニング後のアルコールは筋タンパク合成を有意に抑制する。プロテインとの同時摂取でも完全な相殺はできない。

信頼度:中程度の根拠
Round2

アルコール摂取は減量を妨げるか

言われていること

カジュアル飲酒を正当化する食事文化・SNS

醸造酒(ビール・ワイン)は太らない。蒸留酒は糖質が少ないから問題ない。少量のアルコールならカロリーに計算しなくていい。

VS

研究が示すこと

  • アルコールは1gあたり7kcalというエネルギー密度を持ち(脂質の9kcal、タンパク質・糖質の4kcalの間)、摂取カロリーに加算される。
  • アルコール摂取後は脂肪酸化(脂肪燃焼)が優先的に抑制され、体がアルコールを先に処理しようとするため脂肪蓄積が促進されやすい。
  • また食欲刺激・抑制解除効果により食事量が増えるリスクもある。
  • 完全な禁酒は必須ではないが、「飲んだ分カロリーが増える」認識は必要。
判定

アルコールは高カロリーで脂肪酸化を抑制する。飲んだ分のカロリーは必ず計算に入れること。頻度と量の意識が減量成功の鍵。

信頼度:強い根拠あり

公開日: 2026-06-30

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

プロフィールを見る

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています