Topic
筋力向上
最大筋力やパフォーマンスを伸ばすための研究。プレワークアウト系サプリや強度設定の根拠を扱います。
Research
関連する研究
- メタ分析信頼度: 中2018
トレーニング経験者・競技アスリートにおけるHMB補給が筋力と体組成に与える影響:メタ分析
Sanchez-Martinez J, Santos-Lozano A, Garcia-Hermoso A, Sadarangani KP, Cristi-Montero C / Journal of Science and Medicine in Sport
主要ポイント: HMBのトレーニング経験者・競技者への筋肉量増加効果は統計的に有意でないケースが多かった
- ランダム化比較試験信頼度: 中2018
レジスタンストレーニング中のケトジェニック食が体組成に与える効果:ランダム化比較試験
Vargas S, Romance R, Petro JL, Bonilla DA, Galancho I, Espinar S, Kreider RB, Benitez-Porres J / Journal of the International Society of Sports Nutrition
主要ポイント: ケトジェニックグループは通常食グループより体脂肪減少が有意に大きかった(-2.2kg vs -1.5kg)
- レビュー信頼度: 中2004
ビタミン・ミネラルの充足状態が身体パフォーマンスに与える影響
Lukaski HC / Nutrition
主要ポイント: 鉄・ビタミンD・マグネシウムなどの欠乏は有酸素パフォーマンスと筋力に明確な悪影響を与える
- ランダム化比較試験信頼度: 中2016
セット間の長い休憩時間はレジスタンストレーニング経験者の筋力と筋肥大を高める
Schoenfeld BJ, Pope ZK, Benik FM, Hester GM, Sellers J, Nooner JL, Schnak JA, Bond KF, Carter JM, Aragon AA / Journal of Strength and Conditioning Research
主要ポイント: 3分休憩グループは1分休憩グループと比較して筋肉量の増加が有意に大きかった(上腕二頭筋・大腿四頭筋)
- メタ分析信頼度: 中2018
タウリン補給が運動パフォーマンス・筋肉疲労に与える影響 ― メタ分析
Waldron M, et al. / Sports Medicine
主要ポイント: 持久力(疲労困憊までの時間)が有意に改善(中程度の効果量)
- ランダム化比較試験信頼度: 中2015
アシュワガンダ補給が筋力と回復に与える影響 ― RCT
Wankhede S,Langade D,Joshi K,Sinha SR,Bhattacharyya S / Journal of the International Society of Sports Nutrition
主要ポイント: ベンチプレス・レッグエクステンションの筋力がプラセボ群より有意に向上
- ランダム化比較試験信頼度: 中2010
シトルリンマレートは無酸素性パフォーマンスを高め筋肉痛を軽減する ― RCT
Pérez-Guisado J,Jakeman PM / Journal of Strength and Conditioning Research
主要ポイント: シトルリンマレート群でベンチプレスの反復回数が平均52.92%増加
- メタ分析信頼度: 中2015
ビタミンD補給がアスリートの筋力に与える影響 ― システマティックレビュー
Tomlinson PB,Joseph C,Angioi M / Journal of Science and Medicine in Sport
主要ポイント: ビタミンD欠乏アスリートでは補給により筋力が改善する可能性がある
- メタ分析信頼度: 中2018
カフェイン摂取は筋力・筋パワーを向上させる(メタ分析)
Grgic J, et al. / Journal of the International Society of Sports Nutrition
主要ポイント: 最大筋力・筋パワーがわずかに向上
- メタ分析信頼度: 高2017
クレアチン補給はレジスタンストレーニングによる筋力・除脂肪量の増加を高める(メタ分析)
Chilibeck PD, et al. / Open Access Journal of Sports Medicine
主要ポイント: クレアチン併用群は除脂肪量の増加が有意に大きい
- メタ分析信頼度: 高2018
タンパク質補給はレジスタンストレーニングによる筋量・筋力増加を高める(メタ分析)
Morton RW, et al. / British Journal of Sports Medicine
主要ポイント: タンパク質補給で除脂肪量・筋力の増加が上乗せされる
- 観察研究信頼度: 低2011
睡眠時間の延長はアスリートの運動パフォーマンスを向上させる
Mah CD, et al. / Sleep
主要ポイント: 睡眠延長でスプリント・シュート精度・反応時間が改善
Supplements
関連するサプリ
ビーツ(硝酸塩)
信頼度: 中硝酸塩(Dietary Nitrate)、ビートルートエキス
ビーツ(ビートルート)に豊富に含まれる硝酸塩は、体内で亜硝酸塩を経て一酸化窒素(NO)に変換され、血管拡張と酸素利用効率の向上をもたらすと報告されている。複数の研究において、有酸素・持久系パフォーマンスの向上(VO2max改善、タイムトライアル短縮)に一定の効果が示されている。特に一般〜中級者のアスリートにおいて効果が出やすい傾向があるとされる。
ベタイン(トリメチルグリシン)
信頼度: 中ベタイン(トリメチルグリシン、TMG)
ベタインはアミノ酸の一種で、クレアチン合成に関わるメチル基供与体として機能する。複数のRCTにおいて、上半身の筋力・筋パワー向上の結果が報告されているが、下半身への効果は研究によって結果が異なる。ホモシステイン低下を介した心血管系へのベネフィットも検討されている。
L-テアニン
信頼度: 中L-テアニン(緑茶由来アミノ酸)
緑茶に含まれるアミノ酸で、α波を増加させリラックスしながら集中力を維持させる作用が研究で報告されている。カフェインと組み合わせると覚醒感を保ちつつ不安感や手の震えを軽減する相乗効果が期待できる。単独での筋力・運動パフォーマンス向上エビデンスは限定的で、カフェインとのスタックで評価されることが多い。
電解質(エレクトロライト)
信頼度: 中ナトリウム・カリウム・マグネシウム等のミネラル
体液中でイオンとして働くミネラル群。系統的レビューでは、体重2%以上の脱水でパフォーマンスが有意に低下し、60分超の運動ではナトリウムを含む電解質ドリンクが水単独よりパフォーマンス維持に優れると報告されている。長時間運動でのナトリウム喪失は筋クランプや低ナトリウム血症のリスクに関係するとされる。
アシュワガンダ
信頼度: 中ウィザニア・ソムニフェラ根エキス
インド伝統医学(アーユルヴェーダ)で使用されてきたアダプトゲンハーブ。ストレスホルモン(コルチゾール)の低下・睡眠改善・筋力向上との関連が複数のRCTで確認されており、自然系サプリの中では比較的エビデンスが充実している。
シトルリン
信頼度: 中L-シトルリン / シトルリンマレート
一酸化窒素(NO)の前駆体として血管拡張を促し、筋肉への血流・酸素供給を高める非必須アミノ酸。プレワークアウトとしての使用に比較的強いエビデンスがある。マレート(リンゴ酸)との複合体(シトルリンマレート)が研究では多く使われる。
ビタミンD
信頼度: 中ビタミンD3(コレカルシフェロール)
日光照射によって皮膚で合成される脂溶性ビタミン。骨代謝・免疫機能・筋肉機能に関わり、室内中心の生活や日照の少ない環境では欠乏しやすい。アスリートでも欠乏率が高く、筋力・免疫・骨密度との関連が研究されている。
カフェイン
信頼度: 中無水カフェイン
プレワークアウトの定番。覚醒・集中とともに、筋力・筋パワー・持久力をわずかに底上げする。常用すると耐性がつき効果が薄れるため、ここぞという時の使い方が鍵。
クレアチン
信頼度: 高クレアチン一水和物(モノハイドレート)
最も研究が蓄積され、効果と安全性のエビデンスが強いサプリの一つ。高強度・短時間運動のパフォーマンスと、レジスタンストレーニング時の除脂肪量・筋力の増加を後押しする。
Articles
関連する読みもの
- 研究 vs 勘
「40代・50代は筋肉がつかない」は本当か? 加齢 vs 筋肥大の研究
「もう若くないから筋肉はつかない」——40代・50代のトレーニーからよく聞くこの言葉は、本当に正しいのか。テストステロンや成長ホルモンの低下は確かにある。しかし筋肥大の能力は、その低下が示すほど失われてはいない。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「HMBはクレアチンを超える筋肥大サプリ」は本当か? HMB 通説 vs 研究
HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)はロイシンの代謝産物として、筋タンパク合成の促進と筋分解の抑制が期待されている。しかし「経験者への確実な効果」という宣伝文句は、研究ではどのように支持されているか。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「2週間で筋肉がついた」は本当か? 筋トレ効果のタイムライン 通説 vs 研究
筋トレを始めて2〜3週間で「急に力が出るようになった」「体が変わった気がする」という体験は多い。しかし早期の変化の正体は何か。本当の筋肥大(筋横断面積の増大)が起きるまでに何週間かかるのか——研究が示すタイムラインは直感とはずれている。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「クレアチンは体感がないから効いていない」は本当か? 通説 vs 研究
「飲んでも何も感じない」「体感がないから自分には合わない」――クレアチンをやめる理由としてよく挙げられる言葉だ。しかしこの判断は、クレアチンの作用メカニズムを誤解したままでの評価である可能性が高い。エビデンスが最も蓄積されたサプリのひとつに対して、「体感」を基準に判断することが妥当かどうかを検証する。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「トレーニング頻度は多いほど伸びる」は本当か? 通説 vs 研究
「同じ部位を週3回以上叩けば筋肥大が加速する」——SNSやYouTubeで繰り返されるアドバイスだ。直感的には理解できるが、頻度を増やすだけで本当に成果は上がるのか。総ボリュームや回復との関係を整理すると、話はそれほど単純ではない。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「カフェインは有酸素だけ、筋トレには効かない」は本当か? 通説 vs 研究
「カフェインは持久系の武器。ウェイトの最大挙上には関係ない」。よく聞くこの線引きを、最大筋力・用量・耐性の3点で研究と照合します。今回は通説の“逆”が出るラウンドもあります。
吉村 浩嗣