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研究 vs 勘

「ZMAはテストステロンを上げる」は本当か? 通説 vs 研究

公開日: 2026-06-25

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

ZMAは「テストステロン上昇・睡眠改善・筋肉回復」を謳って売られてきた定番サプリだ。ボディビル界では1990年代から語り継がれ、今もジムのロッカーに常備している人は多い。しかし独立した研究が示す結論は、マーケティングの主張とはかなり食い違う。

Round1

ZMAはテストステロン値を上昇させるか

言われていること

Brilla & Conte (2000) /ボディビル系コンテンツ・サプリメーカーの製品訴求

ZMAを飲めばテストステロンが上がる。亜鉛とマグネシウムが睡眠中のホルモン分泌を最適化するから、筋肉もつきやすくなる。これはブロではなく研究でも証明されている。

VS

研究が示すこと

  • ZMAのテストステロン上昇効果を最初に主張したのは、ZMAの特許を持つ開発者が共著のBrilla & Conte(2000)だった。
  • しかし同成分を対象にした独立したRCT(Koehler et al. 2009、被験者42名)では、8週間のZMA摂取後に血中亜鉛・マグネシウム濃度は上昇したものの、血清テストステロンおよびIGF-1には有意な変化が認められなかった。
  • 利益相反のない試験でテストステロン上昇を再現した研究は現時点で存在しない。
判定

栄養状態が正常な人では、ZMAがテストステロンを上昇させるという信頼できるエビデンスはない。テストステロン上昇の主張は利益相反のある試験に由来し、独立した研究では再現されていない。

信頼度:根拠は弱い
Round2

ZMAは睡眠の質・筋肉回復を改善するか

言われていること

ZMAユーザーの体感談・フィットネス系SNS

ZMAを寝る前に飲むと睡眠が深くなる。特にトレーニング後の回復が早まる感覚がある。マグネシウムのリラックス効果とビタミンB6の神経サポートが組み合わさって効くはずだ。

VS

研究が示すこと

  • マグネシウム単独については、不眠を抱える高齢者を対象にした二重盲検RCT(Abbasi et al. 2012)で睡眠時間・睡眠効率の有意な改善が示されている。
  • ただし対象が高齢者(65歳以上)であり、若年アスリートへの外挿は慎重を要する。
  • 「ZMA」という特定配合(亜鉛+マグネシウム+B6)が睡眠や回復を改善するとするエビデンスは独立した研究では乏しく、マグネシウム単独の効果をZMA全体に帰属させているケースが多い。
判定

マグネシウムそのものには睡眠改善の一定の証拠がある(主に欠乏・高齢者対象)。しかし「ZMAという配合が特別に有効」とするエビデンスは弱く、若年トレーニーへの効果は未確立。マグネシウムを摂りたいなら単体での摂取の方が費用対効果は高い。

信頼度:根拠は弱い
Round3

亜鉛・マグネシウム欠乏がある場合、補給は意味があるか

言われていること

スポーツ栄養系コンテンツ・トレーニー向けサプリ広告

汗でミネラルが失われるアスリートは亜鉛・マグネシウムが不足しやすい。だからトレーニングしている人はみんなZMAで補うべきだ。

VS

研究が示すこと

  • 亜鉛・マグネシウムの欠乏が実際に存在する場合、補給によってテストステロンやパフォーマンス指標が「正常範囲に戻る(normalize)」可能性は研究によって示唆されている。
  • しかしこれは「欠乏の是正」であり、正常な栄養状態にある人への超生理学的な上乗せ効果ではない。
  • 多くの健康なアスリートは食事から十分量を摂取しており、集団全体に欠乏が広く存在するとは言えない。
  • 欠乏が疑われる場合は採血(血清亜鉛・マグネシウム)で確認するのが合理的。
判定

欠乏が確認された場合には補給の意義があるが、欠乏なしに「テストステロンを上げる」目的でZMAを飲む合理的根拠は乏しい。まず食事からの摂取量を確認し、必要なら採血で判断する。

信頼度:賛否が分かれる

関連するサプリ

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ZMA

亜鉛欠乏者におけるテストステロン正常化(欠乏の補正効果)

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マグネシウム

欠乏状態の改善による睡眠の質・入眠しやすさのサポート(研究では高齢者で確認)

公式ストアで見る

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公開日: 2026-06-25

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています